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サイナスリフト
2016年08月22日 歯科医師:末松亮
こんにちは!
スマイルプランやまもと歯科クリニック、副院長の末松です。
今回は、先日受講したセミナーから
「サイナスリフト」という外科手術についてご紹介したいと思います。
「サイナスリフト」…って何?
という方も多いと思いますので、まずそのご説明からさせていただきます。
歯を失った部分の治療法の1つとしてインプラント治療があります。
インプラント治療を行うためにはフィクスチャーと呼ばれる
人工歯根を骨に埋入する必要があります。
骨の厚みや高さが少ない場合、
人工歯根は足場となる骨の中で長期に維持安定することができないので
インプラント治療ができないことがあります。
その場合、骨、またはそれに近い材料を用いて
足場となる骨を増やす必要があります。
その中で、上顎洞と呼ばれる鼻の横の空洞を用いて
インプラント埋入手術に必要な骨量を得るための手術の1つを
「サイナスリフト(上顎洞底挙上術)」と呼びます。
具体的には上顎洞の部位の関係上、
上顎臼歯部にインプラント治療を行う場合に対象となる手術です。
上顎洞内には上顎洞粘膜と呼ばれる薄い膜が周囲に張り付いています。
手術としては、
骨を削ってこの空洞まで到達した後、
内部にある薄い粘膜を剥離、挙上し、スペースを確保し、
ここに骨やそれに置き換わるような人工材料を詰めて骨の厚みや高さを得ます。
言葉だけではイメージしづらいので
実習で用いた模型をみながら流れを見ていきましょう。
今回は左上顎のサイナスリフトを想定した実習でした。
まず、左上小臼歯部根尖付近に上顎洞にアクセスするための窓を作ります。
上顎骨の目標とする部位に骨を削って開ける窓を想定してマーキングを行います。
骨を削って窓を作っていきます。
アクセスできる窓を作った後にみえてくる上顎洞粘膜を
丁寧に剥離、挙上していきます。
左横からみた空洞の状態です。
赤い粘膜をテント状にうえに持ち上げています。
真上から見たものです。
写真の左側の赤い部分はやや暗く正常な右上顎洞の状態です。
写真右側の赤い部分は粘膜が挙上されている状態で、
光の透過性の問題から明るく見えます。
このスペースに骨に置き換わる材料を詰めた状態です。
上から見た状態です。
粘膜が挙上されて膨らんでいる様子が
写真で伝わりましたでしょうか?
このあと、窓を閉じる蓋をして、開いた歯肉を閉じて縫合して終わり、
といった流れです。
いかがでしたでしょうか?
少しはどんな手術かイメージがつきましたでしょうか?
全ての患者様が対象となる治療法ではありませんが、
ご興味を持たれたり、ご検討されている方はいつでもお気軽にドクターまで
お問い合わせくださいね。